タグ : 百合
【百合小説】新宿少女観察日記48 「大丈夫だから座って。この人はゆきちゃんを守るために来た人だから」
「ゆきちゃん」 私は立ち上がった少女の手を右手で持ち、そっと左手を重ねた。 「今までゆきちゃんの周りの大人達は …
【百合小説】新宿少女観察日記47 「じゅうみんひょうってないの。ママ、ないの」
区役所に戻ると、子ども家庭課が少しざわついていた。そして最初についた役に立たない係員と、ショートボブで黒いスー …
【百合小説】新宿少女観察日記46 看板には「おさんぽ倶楽部」と書かれている。少女が見上げ、か細い声で言った。 「おみせ……かわってる……ママがいたおみせとちがう……」
新宿区役所は歌舞伎町一丁目にある。少女の母親が書いていたプロフィールに記載された住所と近い。 私達は区役所を出 …
【百合小説】新宿少女観察日記45 「つらかった……べつにつらくない……。ママはてんごくへいくんだっていってた。てんしになるんだよって……」
「更新は三ヶ月前に途絶えてますね。ほら、九月二日が最終です。この辺りにお母さんが亡くなったのかな?」 私はショ …
【百合小説】新宿少女観察日記44 画面を見ていた私と係員は言葉を失った。 少女と女性の裸の写真が何枚も何枚も映し出されたのだ。
「…………」 画面を見ていた私と係員は言葉を失った。 少女と女性の裸の写真が何枚も何枚も映し出されたのだ。写真 …
【百合小説】新宿少女観察日記43 「うんうん。そうだ。おじさんたちと写真は撮った?」 「とった。ママはしゃしんがだいすきで、せいかつひがかせげるっていってた」
私がどう言ったら良いのか分からず、黙っていると、係員が口を開いた。 「お母さんはもう亡くなったから、こんどは貴 …
【百合小説】新宿少女観察日記41 「十五歳? 本当に?」 少女は暗い瞳をさらに暗くし、俯いてしまった。あぁ、もうこの係員との関係は結ばれないなと私は思った。
「十五歳? 本当に?」 少女は暗い瞳をさらに暗くし、俯いてしまった。あぁ、もうこの係員との関係は結ばれないなと …
【百合小説】新宿少女観察日記40 「いえ……昨日会ったばかりの知り合いです」 係員はさらさらと二人の関係を書く。
子育て支援課……ではないだろう。子ども家庭課かな。私は少女の手をぎゅっと握り、机の向こう側にいる係員に声をかけ …
【百合小説】新宿 少女観察日記36 しかし両親が亡くなり、身寄りも無い少女の相談場所については書かれていなかった。
「しんじゅくくやくしょ?」 少女が表情のない瞳をこちらに向けながら、少し小声で言った。 「そう。役所。スマホで …
【百合小説】新宿 少女観察日記35 少女の服装は整えられ、肌の汚れはやや残っているものの、愛らしい姿になった。
少女の服装は整えられ、肌の汚れはやや残っているものの、愛らしい姿になった。 「さて、これからどうしよう」 とり …