クイーンサイズのベッドはいつもより大きく感じられた。この部屋に連れ込んだのは少女が初めてだ。そして初めてなのだが、とても大変なことが起きている。
私は少女の髪の毛を撫でながら、そっと耳に触れてみる。彼女の体が小さくぴくんっと震えた。私は慌てて耳から手を離す。
この柔らかそうな睫に触れたい。
鼻筋に触れたい。
そして……唇を指でなぞりたい。
耳にキスをしたい。少女の匂いが嗅ぎたい。もっと近くで。もっともっと鼻を彼女の首筋に近付けて匂いを嗅ぎたい。
一緒に少女とベッドへ入ったものの、私は自分の欲望を持て余していた。仕事ばかりしていて恋愛に疎い。私は性的な、もしくは人とお付き合いをする経験を積んでこなかった自分を反省した。
髪の毛を撫でていた手を、指をそっと下へとずらす。耳元へと、顔の輪郭へと。
そして……そっと、あくまでもそっと少女の唇に触れる。
あぁ、なんて少女の唇は柔らかくてぷにぷにしているのだろう。形の良い赤い唇。男達に蹂躙されたであろう、唇と、喉。
少女がすっと目を開く。瞼はゆっくりと持ち上がり、大きな黒い瞳が私を見た。
私は少女を見つめた。この美しい少女は深淵を見つめているような瞳で、私をどのように見ているのだろうか。

■ 続く