少女の唇が動く。
ま、つ、り……と。
そして少女がそっと私の唇に触れる。私はびくんっと過剰に震えてしまった。
ばれてしまう。
少女への気持ちが。
そしてこの興奮が。
私は冷静になろうと思い、ゆっくりと瞬きをした。
ふわりっと甘い匂いがした。シャンプーも石鹸も無臭タイプだ。きっとこれが彼女本来の匂いなのだろう。花の蜜のような甘ったるい香り。人を、私を、興奮させる。
少女は私の唇からゆっくり指をずらし、顔の輪郭へと触れた。私も同じように少女の顔の輪郭をなぞる。
近くで見ると、少女の顔がとても美しく、脈拍が早くなる。とくん、とくん、と。
少女が私の首に触れる。そしてまた顔の輪郭へと戻る。胸を触らないように。躊躇うように。
私はゆっくりと、そっと、少女の額にキスをした。何度もキスをする。額、髪、耳、頬、鼻。
そして軽く……唇にキスをした。
■ 続く