「しまった! ゲイ雑誌、部屋に忘れてきたぜ! 隠しておかないと……」
カラ松は開けようとした襖の向こうに人の気配を感じた。
(ちっ! 誰かに見つかったか! 後でイジラれそうだな)
そっと襖を開け、部屋の中を見る。
(!!)
息が……止まる。
ゲイ雑誌を見ながらいつも妄想していた兄・おそ松のエロい姿。もちろん、兄は雑誌モデルのような長い手足も筋肉もない。
だがあのクズな兄がオナニーしている姿や、フェラチオしている姿を雑誌モデルの格好に重ねて想像する。頬を紅潮させ、自分のペニスに奉仕する兄の……。
襖の向こう。古くなった畳の上……カラ松の目の前に頬を赤く染めた兄の姿があった。
「……ん……っ! ……あっ……」
おそ松は畳の上に横になり、襖へと身体を向けながらズボンとパンツを膝まで下ろしている。右手が握るペニスはカラ松のそれより処女のような美しさで、少し皮が剥け、キラキラと濡れる亀頭が覗いている。
兄の輝く瞳は雑誌に釘付けで、襖が少し開いていることに気付いていない。右手は恥ずかしそうに茎や、皮を弄り、上下に扱き、たまに亀頭を弄る。
「んん!!」
亀頭に人差し指が触れると、兄は柔らかそうな唇から艶っぽい声を漏らす。先頭からは透明な汁が湧き出し、そのヌメリがさらに兄を堕落させていった。
(おそ松……兄さん……男には興味ないような顔をしていたのに……)
カラ松はそっと唾を飲み込んだ。自分の下半身に熱が集まる。
「カラ松……」
兄の熱い囁き。
一瞬、覗いているのがバレたのかと思うが、兄の視線は雑誌に向かってる。
「……そこ……」
そう言いながら兄は少し身体をよじり、左手を後ろの……尻の付近に移動させた。
カラ松は瞬きもせず、兄の乱れた姿を見た。
「い、弄って……あ、……入れ……入れて……」
そして兄は濡れた右手の指でページを捲る。
「え? ロ、ローションとか……いるんだ……あ、そうか、ここ、濡れてないから……」
そして悩ましい表情をしながら雑誌を見る兄。
「洗っておく必要もあるのか……ウォシュレットとか、シャワーでも洗浄出来るんだ……でも……カラ松は脳内カラ松ガールズが好きだから、僕なんてなー……。はは……最初なら誰か……えっと……出会い系アプリ?」
兄がそこまで言った時、カラ松は襖をガラッと開けた。
「うわっ! な、なんだよ! カラ松! その! これは!」
あたふたとゲイ雑誌を後ろに隠そうとする兄が可愛らしい。
「最初?」
「き、聞いてた? い、いや~、俺、初心者だから……」
カラ松は兄が後ろに隠したゲイポルノ雑誌を取り上げ、兄の前に広げた。
「デカいちんこに犯されたいのか?」
「え? お、俺……」
「興味あるんだ」
「ま、まぁ、ほら……最近よくTVでやってるじゃん。LGBTだとかなんとか……ぼ、僕達結婚式挙げました!……とか」
「結婚したら?」
「し、したら……」
おそ松の喉がこくりと鳴る。頬をピンク色に染めながら、カラ松を見る。
「その……」
兄の視線がカラ松の股の間へと纏わりつく。膨らんだズボンの前をじっと見つめた。
カラ松がにやりと笑った。
「初夜があるんだろ? 来いよ、ケツ、洗ってやるから」
「え? いや、カラ松、その……俺……」
「来い」
カラ松はおそ松のズボンとパンツを脱がせ、上半身も裸にし、自分の服も脱ぎ、洗濯カゴに突っ込むと、風呂場に入り、兄をシャワーヘッドの下に立たせた。
昔から置いてあるおもちゃ箱の中に録画ボタンを押したスマホをそっと隠す。
「寒いから、この下に立て。壁に手を付いて。足を開くんだ」
「ん」
温かい湯を兄の頭の上からかけてやる。そしてカラ松は水道につながっているホースを手に取った。
温かな湯にあたり、目を閉じている兄の後ろで石鹸を手に取る。ホースの口と、兄の小さな蕾をヌルヌルにする。
「……これ?」
「石鹸だよ」
次の瞬間、カラ松はホースの口を蕾にぬるんと突っ込み、蛇口を捻った。
「やああ! なんだよ! これ!」
兄の悲鳴が心地よく、つい微笑んでしまう。蛇口を閉めるのも忘れない。
「腸内に水を入れたたけだ。浣腸だよ。ほら、便器に移動しろ」
風呂に備え付けられている便器へと二人は移動した。
「ちょっと……水の量、多くない?」
「大丈夫だ。我慢しろ。腸内洗浄なんだから」
「え? もう……まだ……我慢?」
便器に座りながら、兄の縋るような上目遣いの濡れた瞳が恋しい。
「我慢……するんだ」
カラ松は跪いて、少し上向いた兄のペニスを口に咥えた。
「あっ!」
ちょろっと、便が漏れる音がする。
「我慢するんだ」
「そ、そんな……カラ松……」
でも兄はカラ松のフェラチオを止めない。
カラ松の頭上から、はぁ、はぁ、と切羽詰まった淫猥な息遣いがする。
カラ松は兄の舌先で亀頭を舐めた。
「あっ!」
艶っぽい声と同時に口の中に苦味が広がり、便器の中へと放出される水音がした。
「あっ! あっ! あっ……あー!」
カラ松は喉の奥にある萎んでいくペニスとスペルマを舌で弄る。手で兄の陰嚢を揉み、スペルマを搾り出す。
「兄貴の……精子、おいしかった……感じたか?」
精子と、柔らかい排泄物を同時に出したおそ松はぐったりとし、前屈みになっていた。
そして真っ赤になって俯きながら、こくりと頷いた。
蒲団の上におそ松は裸のまま上向きになり、右手、右足を、そして左手、左足を紐で結んでいた。
スマホのシャッター音が部屋に響く。家の外を走る車のエンジン音。まるで二人の行為を町中の人が見ているかのようだった。
「いい姿だよ、兄貴。さっきの排便音も最高だったけどな」
「こ、これであの動画、ネットに上げないでくれるんだろうな」
「はは、元々上げる気はないさ。大切な動画だからな。兄貴が排便しながらイっちゃっているシーン。最高だった」
「ネットに、あ、上げるっていうからこんな格好をしたんだぞ!」
カラ松はスマホの動画ボタンを押した。
「いいな、その表情。お尻の穴までバッチリだ」
「よせ! 広げるな! やっ! 指……!」
「ピンク色で美しいよ。兄貴。ほら、カメラの前で言うんだ。『カラ松。僕のアナルを舐めて下さい』って」
「ぼ、僕のアナルを舐めて下さい……カラ松……ひっ! あっ! ヌルヌルして……!」
「なぁ、兄貴。ここに入れられるの、初めてなのか?」
「初めてに決まってるだろ! うひゃ! ヌメッて、お、奥まで舌、差し込むな!」
「ちんこ、堅くしながら言う台詞かよ」
「ゆ、指、カラ松、なんかぬるっとした! それ、ローション? お前、誰と……」
「知ってるか? おそ松。ローションにはこういう使い方もあるんだぜ」
カラ松は座布団の上にスマホを固定し、ローションをおそ松の乳首とペニスへと垂らした。
「つ、冷たい!」
「すぐに温かくなるさ」
カラ松は上からじっと兄の姿を見て、微笑んだ。
「変態だなぁ、兄貴。縛られるのとか好きなんだ」
「んなわけあるか!」
「だからちんこ堅くしながら言うなって」
カラ松は自分のペニスと兄のペニスを右手で掴んだ。ぬるぬるしていてなかなか一緒にはならない。
そのまま上半身を重ね、乳首を重ねる。
「ひゃっ……」
「兄貴の身体……柔らかい」
「お前も……な……もっと運動……しろ……ああっ! カラ松……のちんこ」
カラ松が舌で兄の唇を舐める。その舌を兄の舌が、突っつく。
「ファーストキスは?」
「カ、カラ松こそ、どうなんだよ!」
カラ松はそのまま兄の唇を塞いだ。上下左右に腰を振り、堅く、ローションで滑ったちんこを蹂躙していく。
「んっ! んんっ! ……カラ……んっ!」
押し潰す柔らかい兄の身体が益々熱くなっていく。
「キ、キスは……」
「お前が初めてだよ。だから早く」
い・れ・ろ。
兄の唇が、カラ松を急いた。
「おそ松……っ!」
ローションまみれの熱いペニスが、兄の蕾を一気に貫いた。
「ひっ! ぃやああああ!!!」
悲鳴と共に、兄の身体が仰け反る。
カラ松はおそ松の尻をぐっと左右に開き、ペニスと一緒に中へと巻き込んだ皮膚を引き出した。
「あ……はぁ……」
おそ松の身体から、ふっと力が抜ける。
その瞬間、カラ松は腰を引き、先端を熱い体内に残したまま、ペニスにローションを垂らすと再び一気に貫いた。
「あああっ!!」
兄の口から嬌声が上がる。反り返ったちんこから、白い汁が漏れ、跳ねる。
カラ松は身体中が幸福感で満たされた。
「おそ松、愛してる!」
腰が我を忘れて兄を貪り始めた。
「お、俺も、カ……カラ松! 俺も愛して……ひうっ!」
その瞬間、おそ松の身体が白く清らかに染まった。
「淫乱……過ぎだ……おそ松」
「ち、ちょっと……あ、あのな、いつもは……もっと……あああっ! カラ松! やだ! 気持ちいい! お前の! お前のちんこ!」
「もっと早く……この……身体を……貪りたかった!」
「ダメ! 俺! また! なんかちんこ、おかしい! カラ松、カラ松、好きだ、好き! 好き! す」
「おそ松!!」
兄の最後の言葉は愛らしい悲鳴に消された。
その日、カラ松は兄・おそ松の身体の中へと、初めてスペルマを注ぎ込んだ。
もう、戻れない……な、俺達。
白濁のスペルマに染まった身体をピク、ピクン、と震わしながら呟いた兄が、カラ松は愛しかった。
それから何度もなんども、カラ松はおそ松の身体を貫き、若さと余った体力の全てをぶつけた。
おそ松は家族が帰ってきた気配で一時は声を抑えるが、再び色っぽい声を上げ、カラ松の理性が吹き飛ぶ程、挑発した。
襖の向こうに人の気配がしたが、構うものかと兄の身体を愛した。愛の言葉を囁き、キスをし、兄の乳首を舐め、噛んだ。
いつの間にか兄は身体を固定する紐を解き、カラ松の身体を強く抱いた。狂おしいほど強く。
何度も二人は愛を告白し、腰を振り、愛に応えた。
疲れて、いつの間にか寝てしまい、朝になった時、母さんの「ご飯よー、起きなさい、六つ子達」の声で二人は飛び起きた。
「あ、あれ? 寝間着きてる?」
「おそ松も? 俺もだ。掛け布団もかけてる」
二人で見た夢?
そんな訳はないとカラ松はおそ松のアナルへと手を伸ばした。そこは少し腫れ、指が二本同時に入るぐらい緩くなり、ヌメッていた。
「夢……じゃないぞ」
「ちょっ……カラ松……やめ……気持ち……いい」
おそ松がカラ松の胸の中へ顔を埋めた時、チョロ松が起きて伸びをした。
「ねむてー!」
トッティが起き、服を着替えながら言った。
「チョロ松兄さん、ビデオ編集が朝までかかってたもんね」
一松が横になりながら、スマホを観ている。
「…………合計1000万ビュー越えた……」
「えー、どれどれ、凄いじゃない! 観てみて、チョロ松兄さん! もう俺達、これで食っていけるんじゃない?」
「やったな! やっぱさー、最初はライブで、あとは見やすいように5分と15分と30分バージョンに分けたのも良かったかな。ロングバージョンもあるし」
「そうだね。チョロ松兄さん、凄いよ!」
「……Twitterとかで宣伝したの、俺……」
「うんうん、一松兄さん、やったね!」
「なになに~、俺にも教えて~」
十四松が一松のスマホを覗き込む。
「うひゃ~! エロい! なにこれ! おそ松兄さんってこんな声でイクんだ~!」
おそ松とカラ松はそれを聞いて飛び起きた。
「ライブってなんだ! チョロ松!」
「おそ松のイキ声だと!?」
「お前達! 味噌汁が冷めるでしょ! 早く起きなさい! あとカラ松! 寝る前にちゃんとおそ松を拭きなさい! 身体の中もちゃんと掻き出して拭いてあげるのよ! 昨晩、母さん、大変だったんだからね! 全くこの歳になって息子のお尻の処理をするとは思わなかったわよ」
「す、すまなかった、マザー」
「か、か、か、母さんが、え? 俺の尻の処理? え?」
「バカね。アナルセックスはやった後にきちんと処理しないと翌日下痢するのよ。全くまだまだ二人とも子供ね。父さんは母さんが先に寝てもちゃんと綺麗にしてくれるわよ。ほら、早く着替える!」
松野家は今日も平和だった。
(おしまい)