タグ : 百合 小説
【百合小説】新宿少女観察日記42 「ママのママはこどものとき、いなくなっちゃったっていってた。それからはまわりのおじさんやおにいさんたちが……ママをね……ママをね……」
係員はゴクンと唾を飲み込んだ。 「お母さんは携帯電話を持っていたかな」 「でんわ、もってた。おみせのおにいさん …
【百合小説】新宿少女観察日記41 「十五歳? 本当に?」 少女は暗い瞳をさらに暗くし、俯いてしまった。あぁ、もうこの係員との関係は結ばれないなと私は思った。
「十五歳? 本当に?」 少女は暗い瞳をさらに暗くし、俯いてしまった。あぁ、もうこの係員との関係は結ばれないなと …
【百合小説】新宿少女観察日記40 「いえ……昨日会ったばかりの知り合いです」 係員はさらさらと二人の関係を書く。
子育て支援課……ではないだろう。子ども家庭課かな。私は少女の手をぎゅっと握り、机の向こう側にいる係員に声をかけ …
【百合小説】新宿 少女観察日記39 少女がぎゅっと私の腕を掴む。
私達は区役所へと向かった。昼間の区役所通りは夜と違ってサラリーマンが多い。夜、帰宅に使う時は客引きやホステスや …
【百合小説】新宿 少女観察日記38 私は少女の背中を優しく抱いた。細い傷付いた身体。
私は少女の背中を優しく抱いた。細い傷付いた身体。 「ゆきちゃんはお母さんが亡くなるまで、お母さんと離れて暮らし …
【百合小説】新宿 少女観察日記37 その瞳はやはり表情が読み取れない、漆黒の輝きを放っていた。
「ゆきちゃん!?」 私は慌てて少女の背中をさする。この行動が今の状態に良いのか悪いのかも分からなかった。 「急 …
【百合小説】新宿 少女観察日記36 しかし両親が亡くなり、身寄りも無い少女の相談場所については書かれていなかった。
「しんじゅくくやくしょ?」 少女が表情のない瞳をこちらに向けながら、少し小声で言った。 「そう。役所。スマホで …
【百合小説】新宿 少女観察日記34 特に親と確執があるわけじゃない。しかし少女との関係は親に知られたくない。そう思ってしまうのだ。
特に親と確執があるわけじゃない。しかし少女との関係は親に知られたくない。そう思ってしまうのだ。 しかし年末の伊 …
【百合小説】新宿 少女観察日記33 デパートを宝石箱だと例える感性は私に無かった。
私達は少女が着ていた服や靴をGAPの店員に包んでもらい、その紙袋を下げ伊勢丹に入った。伊勢丹は年末ということも …
【百合小説】新宿 少女観察日記32 更衣室から出てきた少女は、愛らしい白ウサギのようだった。
少女はボロボロになった靴の踵を踏んで歩いていた。GAPを出たら、伊勢丹に寄って靴を見よう。 私は会計を終わらせ …